画集「寺越慶司の恐竜」掲載作品 クリックすると紹介ページへ
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ティラノサウルスのいる構成

 

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to "Tyrannosaurus: Roaring at Jurassic dinosaurs in a Mesozoic Scene"
作品番号: 95-12240
制作年月日: 1995.12.24
ファイルサイズ: 16 X 22 cm / 350 dpi
画材: デジタルペイント
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[ 吠える?ティラノサウルス ]

 恐竜は、特にティラノサウルスは、映画の中でむやみに吠える。正確に言えば、吠えさせられている。しかも、これ以上はない邪悪な目つきで。
 吊り上がった目の回りはどす黒く、瞼の上にコウモリの翼のような尖ったひさしをつけ……。要するに、サングラスをかけた悪役のイメージを引き受けさせられているわけで、これは勿論、映画のための演出である。
 実際の恐竜たちはどうだったのであろうか?化石の彼方に拡がる遠い過去の世界は、こちらの世界からは伺い知れないが、現代の動物を元に想像してみることはできる。
 たとえばトラやチーターが獲物を追うときの表情は、冷静そのものだ。むやみに吠えたり歯をむき出したりはせず、むしろ無表情に近い。それがかえって冷酷にも見える彼らは、本物のハンターなのだ。
 基本的に、自然界での動物の表情に「邪悪」なものはない。── そう思っているから、仕事の性質上、悪っぽい顔の恐竜を描かねばならないときには、いつも少々困る。

 上の作は、コミック本のカバー画である。コミックに登場する恐竜を空想の種類を交えてランダムに構成した。
 このティラノサウルスは、ほぼ現実的な姿に描いているが、切れ上がった口角など映画風の邪悪な表情を少し加味している。

【「寺越慶司の恐竜」(2007年) より. HP向けに一部補筆 】
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