スピノサウルスのいる白亜紀の水辺の情景
ポイント!
作品番号
: 08-11050
制作年月日
: 2008.11.05
ファイルサイズ
: 26 X 50 cm / 350 dpi
画材
:
デジタルペイント
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[ スピノサウルスのいる白亜紀の水辺の情景 ]
古代魚レピドテスを狩るスピノサウルス──近刊のポップアップ・サウンド絵本のための絵である。この本のために描いた絵はどれも「音」を意識した構図になっているのだが、その中で、この作は一番気に入っている。
このシーンは、「肉食恐竜が獲物を食べている音が生々しく聞こえるような絵を」という注文に応えるべく、構図を練った。初案は水辺で狩りをするスコミムスを考えたのだが、恐竜を大きく見せる工夫などを加えていく内に、主役がスピノサウルスに替わり、暗い森の中の流れが開けた沼沢地に替わった。
手前につき出ているスピノサウルスの口にくわえ込まれ、奧では別のスピノサウルスに追い立てられて波しぶきを上げ宙に舞っている魚は、レピドテスという古代魚の
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種である。大型で分厚い鎧のようなうろこを持っている。まさにゴリッ
...
ゴリッ
...
と音を立てて食われるにふさわしい獲物である──と考えた。
制作に先立って調べた範囲では、レピドテスは古代の世界に広く分布し、いろいろな種類が長い時代にわたって生存したらしい。資料を見ると大きさも形も様々だが、鰭の形やうろこの配列に共通した特徴があるようだ。
また淡水性と考えて良い種類もあったようなので、この絵では内陸の沼沢地でスピノサウルスに狩られているシーンを想定して、平均的な姿のレピドテスを描いた。
海辺で狩りをするスピノサウルスの絵を最近よく見かけるが、個人的には、大型動物の生態として一般化して考えるのはかなり無理なのではないかと考えている。
ところで、私はイラストレーションを描いて30年になるが、昔から絵の寸法を間違える困ったクセがあり、どうにも治らない。この絵も、初めはA4版の絵として早々に完成させてしまった! 〆切間際にそのことに気づき、急遽一日で、横に
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割以上伸ばしたバリエーションを作るハメになった。それが、この作である。
(
2009.8.16
寺越 )
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